引き出しの中の家

梅雨前にようやく手に取り、この夏に再読。

引き出しの中の家

手元に置いてから、読むまでの時間がこんなにかかるなんて・・。
きっと好きに違いないと思うと、とぎれとぎれの時間に、
気もそぞろに読むのは避けたくて。
やっぱり予想通りのお気に入りになった一冊。

なんといっても・・・!
七重がお母さんと一緒に作った、引き出しの中の小さな家には
ときめかないではいられない。
小さなバスタブの足が猫足になっているところ、
細く編んだ糸を楕円にまとめたマット・・・
あげ出したらきりがないくらい。
そして、この小さな部屋にときめく人たちの顔が、何人もパッと
思い浮かんでくる。

七重と独楽子、薫と桜子が、時間を越えて、同じ場所で
出会えたことが、とてもとてもうれしい。

ライト式のいくつもしかけのあるおうちと、
七重がお母さんと心をこめて作った小さな引き出しの中のおうちが
舞台になっているのが、暗示的とも思う。
時代を越えて、伝わっていくもの。
日々変わらないものなんてないことに、さみしさを感じる
おばあちゃんの気持ちさえ、包みこんでいくおおらかさ。
でもそれはやっぱり ”花明かり” がいてくれたからこその
奇跡だなぁとも思う。

"花明かり” という美しい言葉
なんて素敵なんでしょう!
花明かりが喜ぶと、小さいときには、いい香りが漂い
成長すると、その場がパッと明るくなる。
想像するだけで、うっとりします。
そこにもし小さな瑠璃がいたら・・・ しあわせへのお約束。
目にも鼻にも、美しく芳しくて、桜のお花見のシーンでは
すっかり涙目に。(⇒感激屋なのですぐ泣く・・・)

お気に入りは、桜子がパパっと足をふいて
クッキーに足型をつけていくところ♪

それと、働かざる者食うべからずの教育と口上・笑
「姿の有利に乗じて」の口癖、ダイスキです。

そして親近感を抱いたのが、薫の”手元の危うさ”
わたしもまったく同じような不器用なところがあるので、
きっとこの牛乳、注ぐときにこぼしちゃう・・・ とか、
口に運ぶ前に、ポロっとこぼしそう・・・ とか、
今でもしょっちゅう失敗するのです。
でも、好きこそものの上手なれってね。
薫の開き直り方がとてもいい♪

素敵なお話でした!
それにこの本は、お話だけでなく、装丁だって
丁寧にこだわりを持って作られていて、
目をひく表紙の赤とくりぬかれた窓絵がとても美しい。
見かえしの凹凸のある赤の紙も、上質。
しおりも赤。
そして、表紙カバーをとったときあらわれるお花畑には
おもわずあっ!と声が出るほどです。
図書館で、カバーをとれないのは残念なくらい・・・。
ぜひ、書店で手にとってほしいです。

新聞で見つけた記事で、朽木さんが実際、
ネコ足のバスタブやコルクのいすは
娘さんと作ったものと書かれていて、深く納得。
楽しみながら作ったことがなければ、こんな描写はできないもの。
ライト式のおうちも、広島のご実家や横浜の知人のお屋敷が
モデルなのだそうです。

そして2度目に読んで気づいた、「散在が池」 の文字。
「かはたれ」「たそかれ」の舞台と近くなのかもしれないなぁ・・・。


   『引き出しの中の家』
    【作】 朽木 祥    ポプラ社 

| 琴子 | 23:14 | comments(6) | trackbacks(0) |

2010・夏

kohaちゃん、数日前からうきうきとお手紙を何度も。

おととい。みんなが揃う金曜夜に。

ピクピク

  おかあさんへ
 おたんじょうび きょうわ けえき たくさんたべたね
 わたしもうたべれない

31のホールアイスケーキ、たくさん食べたね。

そして、昨日の朝、Cちゃんといっしょににこにこと
クローバーの育つポットを持って
1日前だけど・・・と、2人からの寄せ書き

 たんじょーびおめでと
 いつもありがと
 これからもよろしく
                     BY C

 おたんじょび おめでとう
 なんさいになたの!
 わたしわ 41になたのと おもうよ!
                     kohaより

この4年ぶりのCちゃんのメッセージも、きっと忘れない。
そして爆笑! kohaなりに、母の年について
疑念を抱いていたというわけね。
ごめんーー・・・ ずっと永遠の33だったので、
一応34と言ってみたけれど、ほんとうはゾロメです。
それにしても、日本語練習中の外国の人のような日本語で
笑っちゃう。
「っ」 は、学校へ行ったら、教えてもらおうね。


白梅幼稚園で1日わらべうた講習だった今日。
帰ってきたら、またお手紙。

  おかさんへ
 おたんじょび おめでとう
 きょうわいいひだたね
 わたしだて あるよね
 よかたね いいひでよかたね

さしからもラジオのプレゼント。
台所でのお楽しみのラジオが壊れて嘆いていたの、
知らぬ顔して、聞いてたんだな。
あらら・・・今年はどうなっちゃってるんでしょう。

今日の夕食は、義母のお得意だった18番料理を。
今では、オットの18番料理ですが。
カニ缶とネギの入った肉あんを、薄焼き卵でくるんで
揚げて蒸すという、おそろしく手間のかかる料理。
花山椒でいただくのが最高なんです。

卵まき



昨日の園の夏祭りで、2人で浴衣を着たことも
kohaにはうれしいことだったって。

浴衣 数年ぶり。迷って縞の浴衣で。
               
「いいひだたね」 「よかたね」って
何度も言ってくれる優しい気持ちをありがとう。

「わたしだて あるよね」 ⇒ もちろん!
kohaの誕生日はあと9ヶ月先だけど
ちゃんとまたお祝いしよう。
3日にわたって楽しませてもらってありがと。

リンリンちゃんサックス風船サックス

この夏作った
ナナさん工作のいないいないばあ人形の りんりんちゃんと
だるま森さんの 風船サックスを使っての
パフォーマンスでしめくくり。
せいいっぱいのお祝い、うれしく受け取りました。

いよいよ夏休みも、あと2日。

| 琴子 | 22:20 | comments(16) | trackbacks(0) |

ギャンブルのすきなおばあちゃん

豪傑・豪快なダウデルおばあちゃんの話を読んで、
異色なおばあちゃん話の絵本を思い出しました。

ギャンブルのすきなおばあちゃん

タイトルそのままの ギャンブルのすきなおばあちゃんのお話。
今のご時世で、このタイトルでは出せないかもしれないなぁ・・・
と思われる絵本。(すでに絶版)
でも、大好きなのです!

この絵本の時代背景も、先日のダウデルおばあちゃん同様
戦後の禁酒法がしかれた時代のようです。
ロシアからの移民としてアメリカに渡ってきたおばあちゃんが
生活のために身につけたことがギャンブルで、
それがめっぽう強いときている。

でも孫娘がおばあちゃんから教わったことは、
それだけではありません。

口ぐせがいろいろあって、
「あたしは、ずいぶん長いこといきてきたからね、
 少しばかりもの知りなんだよ」
「友だちとして、ちょっとちゅうこくさせてもらうよ」
と言いながら、
「どんなナベもフタがある、ってね。答えは、ぜったい
 出てくるよ」 なんて言うのです。

経験から出てくる言葉は、深いんだな。

おばあちゃんの引き出しも魅力的だけれど、
一番好きなシーンは、毎日のお昼ご飯です。

耳をとって4つに切ったサンドイッチしか食べないわたし。
それをぐるぐる行進しながら、時折おばあちゃんに
手渡してもらいます。
おばあちゃんは、叱りませんよ!
だっておばあちゃんも、黒パンでバナナをまいた小さな
ロール・サンドばかり食べていたのだから。

偏食でギャンブラーで、”いい”見本ではないかもしれないけれど、
この小さな孫娘にとって、おばあちゃんがどんな存在だったかって
よーくわかります。
この絵本が、とてもあったかいもの♪
そして、この絵本を書いたのが、この小さな孫娘なんだもの。

  
  『ギャンブルのすきなおばあちゃん』
   【作】 ダイヤル・カー・カルサ  
   【訳】 ごとうかずこ
        徳間書店  
  

      *      *      *

ダイヤル・カー・カルサの絵本、好きです。
翻訳されている3冊、どれもこれも。
「ゆきのねこ」が今唯一手にできる絵本ですが、これはもう
涙があふれます。
「いぬがほしいよ!」は、おもわず笑っちゃう!

| 琴子 | 00:12 | comments(4) | trackbacks(0) |

ダウデルおばあちゃん

夏は本が進みます。量的に、というより、気持ち的に。
他の季節より、だんぜん読みたい気持ちが高まります。

暑いのでだらだら寝っ転がりながら・・・
気づくと、すっかり青い夢を見ていたりして、至福です。
ビバ・夏読書!

      *     *     *

”おばあちゃん” というと、わたしの中では、断然
 ”優しい”イメージ
包容力があって、やわらかく丸い体つきで。
働き者で手仕事や家事仕事にたけていて。
編み物したり、縫物したりが得意なイメージが思い浮かびます。
わたしのまわりにいたおばあちゃんが、みなそうというわけでは
ないけれど、多くのお話でそんなおばあちゃんに出会ってきた
気がします。

シカゴよりこわい町 シカゴより好きな町

でも、この「シカゴよりこわい町」 「シカゴより好きな町」の
ダウデルおばあちゃんは、まったく異色。
豪傑・豪快・体だって大きくてイカツイし、態度も言葉も
フレンドリーとは程遠い。
人づきあいは嫌い。銃をぶっ放す。嘘はつくし、目的を果たすために
ときに手段を選ばないことも。
生活のあれこれをいっさい自分で取り仕切っていく強さとたくましさに
あふれています。

そんなおばあちゃんのもとに、孫のジョーイ(兄)と
メアリ・アリス(妹)が毎夏1週間身を寄せ、
ジョーイの視点で語られる「シカゴよりこわい町」

さらに、成長したメアリ・アリスが、家庭の事情からおばあちゃんと
同居することになり、メアリ・アリスの視点から語られる
「シカゴより好きな町」
どちらも、いろんなエピソードがたっぷり語られます。

物語は、第一次世界大戦後 禁酒法がしかれギャングが
暗躍していた時代。
その後、30年代には大恐慌に突入、再び戦争へと動いていく
時代のことです。
今では想像すら難しいことがたくさんあるけれど、
途中、胸があつくなること 数知れず。

読み進んでいくと、おばあちゃんも人の子だということが
よくわかってきます。

ただただ恐ろしく思えた読みはじめから、だんだん
弱い立場の者への自分流の尽くし方や接し方が見えてきて・・・
おばあちゃんの気持ちの揺れ、そして老いと隠れた涙を感じると
もうダメ。
おばあちゃんのことが大ー好きに!

スグリのパイをとりかえてしまった時、おばあちゃんでも自信を
なくすことがあるんだ・・・・と思ったけれど、その無念のはらし方は
やっぱりアッパレでしたしね。
(それが、ジョーイへのプレゼントにつながっているんだから
 ステキ過ぎます!)

直球で返してくれることはないけれど、いつだって、
必ず気持ちに応えてくれる。
立場の弱い人間には、特に。
表にあらわさないからこそ、深い気持ちがあふれていて、
おもわず涙があふれます。

メアリ・アリスの気持ちの変化にも、とても共感しながら
読みました。
この年頃の娘の気持ちがよく描かれているなぁと。
メアリ・アリスがおばあちゃんのように料理したいと思うところが
とても好きです。
彼女には、間違いなくおばあちゃんの血が受け継がれている!

ラストは、どちらもすばらしかった。
もしかして死が待っていたら辛いと思ったけれど、
想像したより はるかに素晴らしいラストに、
何日も浸りました。

ずっと読みたかったけれど、やっと読めた2冊。
夏に出会えて楽しかったな。

ひとつわからなかった ”ペカン”
おばあちゃんが盗みにいくほどたわわに実るペカンってなんだろう?
と調べてみたら、どうやら”ピーカンナッツ”のことのようです。
わたしは読みながら、洋なしのようなものを
想像していましたが(苦笑)
ピーカンナッツのパイもおいしそうだなぁ・・・


  『シカゴよりこわい町』  『シカゴより好きな町』
   【著】 リチャード・ペック  【訳】 斉藤倫子
         東京創元社

| 琴子 | 21:56 | comments(8) | trackbacks(0) |

美濃より 2

東海北陸道に入ると、川島あたりで気になる観覧車があって
あの施設は何かしら?と思っていたところ、
アクア・トトぎふ という 淡水魚水族館併設の施設と知りました。

教わって行ってみたアクア・トトぎふは、4階からくだってくる
システムで、淡水魚って地味なのでは?という予想を
軽く 裏切られた感じです。

4階は、長良川上流域のモリアオガエルや オオサンショウウオなど
3階は、長良川中流域〜河口の魚たち
2階から 世界のかわった淡水魚たちが楽しめます。

わたし、水族館が好きなのです。
長良川は馴染みの川で、郡上に住んでいたとき、オオサンショウウオも
モリアオガエルの卵も、身近に観ていたので、
うんうん そうだよねと懐かしく観たのですが、
世界のへんてこりん(?)な大型淡水魚たちには、とても心奪われました。

水槽1水槽2

まんまるだったり、目が下すぎる位置についていたり・・・
丸くて大きいもの好きなので、とても離れがたい。
なんと、家族においてきぼりをくいました。(恥)

カピパラとふれあうコーナーは、暑さと人の多さで断念でしたが、
ホルマリン漬けになったハリヨを見せてもらったり
メダカのオス・メスの見分け方を教わったり、お勉強もしました。
なかなか楽しい水族館でした。

アクア・トトぎふ () 

       *      *      *

ひとり青春18切符で、一足先に帰省し、一足先に帰京した
Cちゃん。
名古屋の義妹と同じ年のいとこに、「名古屋名物食べてないんだ!」と
言ったそうで、連れられていった東急ハンズの売り場で
こんなお土産を持たされたのだそうです。

名古屋名物

左上から時計回りに
*みそかつで有名な、矢場とんのみそだれ
*スパゲッティ・ハウスのヨコイのソース
*名古屋カレーうどんを広めた、オリエンタルのレトルトカレーうどん
*なんといっても懐かしのおやつ・マツナガのしるこサンド
*浜乙女・山ちゃんの手羽先風味ふりかけ

それに、わたしたちが買って帰った、寿がきやのみそ煮込み即席麺
(5袋入り)をプラス

帰ってきてさっそく御用達なのが、矢場とんのみそだれです。
お弁当にも最適で、この暑いのに、せっせとカツを揚げています。
(ここのところ、学祭に向けて、御苦労さまの登校なのです)
これ、ほんとにおいしくて重宝なので、次回はわたしも買いこもうと
思います。

しるこサンドは、Cちゃんのお気に召さなかったよう。
何が特別か、わからないみたいです。
もっぱらわたしとオットが、懐かしがって食べています。
あとのもののお味はどんなものかしら。
ちゃっかり味見させてもらうつもり。

美濃より・・・というより、名古屋名物のお話ですね。
それにしても、見た目も味も濃い〜なぁ。 

| 琴子 | 23:29 | comments(4) | trackbacks(0) |

美濃より 1

暑い中部圏から高速道路で移動していると、天気が刻々と
変わっていくのがおもしろいです。

名古屋 猛暑。
八ヶ岳付近 激しいきつねの嫁入り?
上野原から先 前方が見えないほどの大粒の雨と雷。
天気の変化とともに、気楽に過ごした帰省時間もおわりました。

今回、行こうと決めていたところがいくつかありました。

ひとつめは、関の有名な鰻やさんで、20数年前に
関に住む同僚に連れていってもらったお店です。
岐阜の関は刃物で有名なところですが、おいしい鰻やさんも
いくつかあって、今回行った 辻屋さんも、幕末から続く老舗。
甘辛いたれと香ばしい鰻が、忘れられないお店です。
「辻屋」さんといいます。

辻屋さん鰻丼

わたしが育った岐阜あたりは、鰻を蒸さないのが普通で、
口当たりは歯ごたえがあります。
たれは濃い目のあまから風。
鰻の下はご飯で、その下にまた鰻があってご飯。
つまり二重になった鰻丼です。

んまんま♪  実に20年ぶり!
ちょっと味が濃い目に思うのは、薄味に慣れたせいかしら。
それでも、外側カリッ、内側ジューシーの鰻には、満足 満腹でした。

こちらに行くなら、早めが必須。
ずいぶん建て増しされていますが、開店と同時に列がのびて、
かなり待つこと必至です。


    *     *     *

お墓があるので、岐阜の恵那には、帰省のたびに
立ち寄ります。
恵那といえば・・・ 中山道宿で、昔から人の往来がある土地。
寿やの栗きんとんも有名ですが、なんといってもオススメは五平餅!

あまから

中央道のPAで売っている わらじ型ではなく、3つずつ
おだんご状になっているのが 特徴です。

ここのは、ほ〜んとにおいしい!!
お墓参りのたびに、立ち寄るお楽しみなのです。

五平餅定食

クルミの入ったごまみそダレが、香ばしくて食欲アップ。
野麦峠のカブ・野沢菜 などのお漬物
(⇒このお漬物がまたおいしい)やオレンジまでついて、
とてもお安いのです。
お味噌汁は、もちろん 慣れ親しんだ赤だし。

この定食、800円ですよー♪


モグモグモグ 完食。
我が家は、全員そろって 大好きな味なのです。

お昼時はひっきりなしに電話がなり、数十本単位で注文の
入る 人気のお店。
恵那にお越しの際は、ぜひぜひ〜。 おすすめしてしまいます。

駅前の駐車場も、最初の1時間は無料。
その後、30分ごとに80円+の、こちらも激安の駐車代です。

美濃路、なかなかいいところですよ♪

| 琴子 | 22:05 | comments(6) | trackbacks(0) |

なつやすみ

シソバジル 

ミニトマトもピーマンもシソもバジルも、
前日になって、ベランダの収穫できるものをすべて収穫しました。

まったく・・・
ご利用は計画的に!です(苦笑)

バジルは、大量のジェノベーゼソースにして、冷凍。
シソは、はじめて塩漬けというものにしてみました。
帰ってきたら、おにぎりにまいてみましょう。

大事なワタは、一緒に連れていきます。
とても背高のっぽになっているのだけど、、、、
枯らすわけにはいきません!


宿題 宿題 第2弾

クリミトリせんせのミニトマトにならって、ツンツンツン
自分で組み合わせを考えられる サンドイッチセットも
レタスやパンをもう少し。

サンタさんのマグネットもまだ一つもできていない。がんばろー。

バザーに向けてのツンツンものと、読み物を持って、
しばらく岐阜へ行ってまいります!

| 琴子 | 01:17 | comments(6) | trackbacks(0) |

はじめましての絵本たち

とことこペンギン隊3号・三蔵さんナビゲートによる、
はじめましての絵本たち講座 (於:オリオン書房ノルテ店)に
行ってきました。
夏休みなので、少人数でこじんまりと。

絵本もいつもより少なめの、日本の絵本27冊、翻訳絵本6冊、
その他おまけ3冊の中からの覚書。

今回、とても好みな絵本に出会えました。

エイモスさんがかぜをひくと

木版とえんぴつで描かれた絵と色あいが、まずとてもすてき。
エイモスさんが、はいているうさぎのスリッパや、
抱きしめるくまちゃんなど、ちょっぴりかわいらしい趣味なのが
たまりません。
布団の柄もベッドの形も洗練されているのに、その小物とのギャップも
いいんです。
よーく見ると、ねずみや鳥など、小さい生き物がちょこちょこと
描かれているのにも気づきます。

そしてなんといっても!このエイモスさん、身近に知っている方と
お顔がだぶってしまいます。
(どうしてもterauchi先生に見えてしまうー・・・)


子どもと森へ出かけてみれば

八ヶ岳のふもと、清里高原の森で過ごす子どもたちをとらえた
写真集。
四季ごとに撮られた写真の数々が、まさに”生”の瞬間を
とらえていて、惹きこまれます。
子どもって、今を生きてるなーを実感する写真集。



そして、こちら2冊、あらためて読みたいと思った絵本。
じゃがいもポテトくん チピヤクカムイ

左) ポテトファミリーの再会の様子に、笑ってしまいました。
   ぼくが買われていく先が”あおきさんち”なのも、
   中川さんそっくりな八百屋さんも、遊び心がいっぱいです。

右) 手島さんのリブリオからのシリーズとはまた違って、
   絵本塾出版から、シリーズ化されているアイヌのお話を
   今回はじめて知りました。
   カムイ=神 神々の物語という副題で、シリーズ化されている
   そうです。
   今回は、「オオジシギ」のお話。

| 琴子 | 22:38 | comments(2) | trackbacks(0) |

こびとの世界

夏休みなので、ふだん行きたくても行けない ことり文庫さんの
絵本の会に参加することができました。
初!参加です。

これが・・・ またとても興味深いテーマでした。
『大人の自由研究 こびとの世界』

1時間目 『こびととは・・・』
2時間目 『白雪姫の見比べ』
3時間目 『もうひとつのこびと物語』
4時間目 『絵本の中のこびとたち』

いや〜、おもしろかったです。
ことりさんには、こびとのことを研究しているお客さんがいらっしゃって
いつか講座を!という話もありましたが、
こういう形で実現し、参加できたことがとてもうれしかったです。

事典やおもしろいこびとについての本や、お話や絵本から、
いろんな種類の ”こびと”像に迫っていくのが楽しかった。
せっかくなので、これからはその違いについて意識してみよう
と思いました。
ドワーフ、フェアリー、エルフ(白・黒)、ゴブリン、ピグミー、
ノーム、ピクシー
いろいろいるんです・笑
性質もいろいろ。見た目もいろいろ。

ともあれ、”こびと”に対するときは、謙虚な気持ちと礼儀正しさは
備えていなければなりません。
これは鉄則です・笑

講座の中に出てきたお話の中で、
結末の思いだせなかった安房直子 『ハンカチの上の花畑』 と、
ファージョンの、一粒の砂が山のように見える
巨人と小人のお話 を、帰って即効で読みなおしました。
なるほど!
何度読んでも、おもしろいお話って、こういうお話ですね。
わたしの貧相な記憶力に万歳です・苦笑

講座の最後には、こびとテストもありました!

 ・こびとには、どんな種類がいましたか?ふたつあげてください 
 ・こびとに会ったとき、わたしたちは、どうするのがいいでしょう?
など、全部で12問。

最後の問題は、自分の名前を ”とんがり文字” (こびとの文字)で
書くというもの。

テスト

これには、kohaも夢中になりました♪
これ、マスターしたら、ぜったい楽しいでしょうね〜。

こびとに関するおもしろそうな本を教えてもらって、只今注文中。
引き続きの自主学習を進めたいと思います。

詳しくは、校長の昨日の講座日誌へ・・・


| 琴子 | 00:30 | comments(6) | trackbacks(0) |

パパの電話待ちながら

手元本にしたものの、いつでも読めるという安心感と
楽しみにしすぎるあまり、ゆっくり読めるときでないと
早々手をのばしたくない!と思う本が、数冊。
夏休み前に、そのうちの2冊をようやく読みました。

パパの電話を待ちながら まずはこの1冊

そんなにもったいぶらないで、早々に読めばよかったなー。

表紙もかわいくてセンスあふれる装丁ですが、
カバーをめくっても、また上質です!

表紙をめくると

イタリア〜な配色だなぁと感心します。
(あとがきには、半世紀たった今も刊行当時のままの
 ブルーノ・ムナーリの装丁、とありました。)

週に6日は家をあけるお父さんが、幼い娘にねだられて
毎日9時きっかりに 電話でお話を語るという設定で、
短いお話ばかり60編あまり綴られています。
ナンセンスなショート・ショートがたくさん。
ときどき出てくる、体制への批判のこもったお話も、
ユーモアとナンセンスの衣で料理されていて、
滑稽さが際立っています。

食いしん坊のわたしには、食べ物の出てくるお話が多いのも
うれしい。
アイスクリームでできた宮殿のお話、チョコレートの道のお話、
コンフェッティの雨が降ってくるお話・・・
こういうこと、子どもの頃、よく夢想していました。

回転木馬の秘密や、散歩に出ては体のあちこちを落としてきて
しまううっかり坊やのお話も印象的で大好き。
そして、逃げられた鼻を追いかけるおじさんのお話や、
透明人間トニーノのお話は、とてもよく似たお話の絵本を知ってる!と
うれしくなりました。

はなおとこ ガラスのジゼル

いかにもイタリアな陽気さがあちこちに感じられるお話たち。
長いの 短いのがあるのは、ビアンキさんの持ち金によるため。
なにしろ、電話ですからね〜。
でも即興で、こんなお話がいくつも語れるなんて、
それを毎日 聴くことができるなんて、父も娘もしあわせねと
思います。

忘れっぽいわたしは、この本で何度でも楽しめるところが、
また しあわせですけれど、ね。



      『パパの電話を待ちながら』
    【著】 ジャンニ・ロダーニ  【訳】 内田洋子   
                                         講談社

| 琴子 | 23:36 | comments(2) | trackbacks(0) |

Page: 1/2   >>

Calendar

1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< August 2010 >>

Entry

Profile

Comment

Trackback

Category

Archives

Search

Feed

Others

Mobile

  • qrcode