エンシエロ

昨夜、ゆっくりテレビでも観ようとつけたら、タイミングよいことに
ロバの音楽座の長井さんが、”セルパン”という楽器の演奏で
番組に登場。
(セルパン ⇒ 
そういえば、クリスマスコンサートでもお話されていたんだった!

番組がおもしろくて、そのままつけっぱなしで観ていると、
そのうち、オンデマンドの2時間番組がはじまって、
おもわず釘づけに。

「体感! 世界の祭 疾走!エンシエロ 牛も走る 人も走る」
       スペインのサン・フェルミン祭

聞いたことはあったけれど、映像を観るのははじめて。
なんでしょう、このお祭り!

このエンシエロにかける意気込みと、
祭りを楽しみにしている人の多さにまず驚く。

去勢牛6頭、闘牛6頭が、一斉に午前8時に放たれ、
細い道々を闘牛場まで走り込む。
牛たちの前や後をたくさんの人々が走り、時に負傷者だって
出るお祭り。
それが、8日間も続くのだ。

道は直角に曲がる角がひとつあり、直前に水がまかれて清められるため
たびたび、牛がすべって転倒する。
一斉に放たれた牛の中で、遅れをとりはじめる牛は、迷走し、
凶暴化したりする。

いかに、牛に近い位置で走れるか、危険と隣り合わせの中の
高揚感は、人生観まで変えてしまうのだと、何人もの人が
インタビューで答えていた。

すごいお祭り、エンシエロ。(⇒
ドキドキしながら観終えて、ドキドキしながら眠りについた。
世界中の不思議に、こうして魅せられる。
世界は広いなぁ
自分の中にあるものなんて、ちっぽけなことだと想う。

| 琴子 | 22:50 | comments(2) | trackbacks(0) |

最近のお気に入り

こぎつねコンチ

この前のクリスマスに、母がプレゼントした本を
夜寝る前に2話か3話ずつ読む毎日がしばらく続き、
2順ほどしたあと、すきなお話ばかりを読んでいます。
すきなお話筆頭は、「おおゆきの日」

コンチがお母さんに「いまなんじ?」と聞き、
「2じ10ぷん。さっきからまだ3ぷんしかすぎていませんよ」
「なあんだ、たったの3ぷん。へんなとけい」
「あら、とけいはすこしもへんじゃないわ」
という会話が、とてもすきなのだそうです。
ふふふという顔をしながら、いつもにやけています。
でもなんといっても大好きなのが、大きな雪だるまが歩いて
コンチの家にむかってくるところ。
koha曰く、”ことばも絵もぜんぶすき”

母は、大好きないちごを大事にしすぎて服に染みを作り
お母さんが機転をきかせて刺繍してくれる「いちご」が大好き。
コンチのお話は、母の懐が大きくて、その中でのびのび
過ごしているコンチがほんとにかわいらしくて、
干したてのお布団のようにほかほかなお話揃いだなー。

地球と宇宙のおはなし

いろんな絵本を読みつつ、何冊か読むと戻ってくる絵本がこれ。
母は「あらまた?」と言いたくなるほどの頻度ですが、
kohaは大好きな様子。
この壮大な宇宙のこと、わたしは想像さえ及ばないけれど
きっと小さな頭の中で、宇宙が大きく広がって想い描かれて
いるんでしょう。
恐怖感はまったくない様子。
月や太陽が、砂粒や頭にたとえられているところなど、
わたしは混乱するばかりだけれど、ばっちり覚えていて
秘かに感心しています。

はしれますかとべますかすってはいてよいくうき

そして戻ってくるといえば、この かこさとしさんの
からだの本シリーズ。
地味なシリーズながら、「たべもののたび」からはじまって
むしばミュータンスのぼうけん」はすっかりお気に入り。
そのあと、「あかしろあおいち」にはまり、脳・骨ときて、
ただいま図書館で借りているのがこの2冊。
し、渋いです。
でも、「すってはいてよいくうき」を読みながら、
すっくと立って小走りしたり、
「はしれますかとべますか」を読んで、同じ側の両手足を
出してわざと歩いたりして、本人、とても楽しそうです。

| 琴子 | 23:07 | comments(6) | trackbacks(0) |

1月の日々

大寒も過ぎ、寒さも底と思いたい毎日ですが、そういえば
まだ霜柱を見ていません!

12月予定だったもちつきが、ノロの流行で延期になって、
新学期早々のもちつきで、バタバタ。
無事終わってよかった、少しゆとりができるかなと思ったのも
つかの間で、やはりゆとりなどないのでした。

ただいま、劇遊び週間 まっただ中。
1月末から2月はじめにかけて、先生劇、親の劇、
最後に子どもたちの劇と、それぞれ演じて観賞しあう時期に突入。
先週土曜が、先生たちの「赤ずきん」でした。
さすが先生、衣装や大道具・小道具までぬかりなく、すばらしかった。

今年の親劇は、「かぐや姫」です。みんな真剣にやります。

daihon

働いていても、下に子どもがいても出られるよう、役はいろいろで、
楽しみつつのゆるーい感じです。
今年わたしはナレーターなので、台本が見られるというだけで
すごく気がラク。
去年は、「シンデレラ」の家来役。
おととしは「金のがちょう」の劇のお世話役。
ついに最後の劇になりました。発表は、今度の土曜日。

10ぴきのかえる

kohaたちは、「10ぴきのかえる」だとか。念願の「かえる」役。
こちらは2月2週目なので、これから本格練習なのだそうです。
これも最後なんだなー。

     *        *        *

12月まで、月に2度のヨガにさえ行けず。
今年こそ週1ペースで続けようと、このところこのペースを死守。
体を温めるところからはじまって、筋がのびて気持ちいいです。

体は毎日縮こまっているので、足の指でグー・チョキ・パーを
するだけでつりそうですけど(苦笑)
がんばっています。

ワニのポーズ

最近の必需品:

必需品

左) 冷え取りソックス
右) 友人が作ってくれたぬか袋
   (自家精米のときに出るぬか+岩塩) レンジでチンして腰に肩に。

寒いです。どうぞみなさま、ご自愛くださいませ。

| 琴子 | 11:04 | comments(2) | trackbacks(0) |

はじめましての絵本たち

三蔵さんナビの今年最初の新刊絵本講座に行ってきました。
クリスマス時期発売の新刊が多かったせいか、心持ち少なめ?
日本の絵本23冊/翻訳絵本9冊/おまけ4冊より。
(於:オリオン書房ノルテ店


これなんて読む? こども文様ずかん

左) この本、小学校で読んだら楽しいだろうな〜と思ったけれど
   kohaと読んでも、十分楽しめました。
   「海豚」「河豚」「百舌」「百足」・・・・ なんて読む?

右) 四季折々の文様図鑑 簡易版といったところ
   紋切り型熱 再燃しそうです♪  
   たまたま週末借りてきたところで、グッドタイミング。

もちもちおもち しめかざり

左) おもちあれこれ リズミカルな言葉にのせて、キャラクター化
   されたおもちの姿が楽しい。
   これも借りてきたばかりでタイミングばっちり楽しめます V

右) たくさんのふしぎのハードカバー化
   しめかざりのなるほどがつまった1冊。


↓ ちびっこと読んだら楽しそうだと思った3冊
パンツのはきかた ねてるのだあれ 
のりものくれよん

「パンツのはきかた」は懐かしいです!
kohaがちょうど3歳くらいで、トイレトレーニングしていた時期に
出た絵本です。ついに待望のハードカバー化。
岸田さんも佐野さんも亡くなってしまってさみしいけれど、
の絵本とこの歌は、すっかりわたしに染みついていたらしく、
絵を見ただけで歌えたことに、我ながら感激。

おめでとうおめでとう ふくはうち   1月のえほん 2月のえほん

毎月1冊ずつ出ていく体裁が流行っているのかな。
左は、”おたんじょう月おめでとう” というシリーズで、
これから12月まで毎月出るらしいです。
文は中川ひろたかさんで、絵かきさんが毎月変わるのだとか。

右は、”季節を知る・遊ぶ・感じる” というシリーズ。
同じく12月まで、次々刊行予定。

シリーズ化する絵本も増えていて、いろんなシリーズの名前が
つけられていることに驚く・・・。

シリーズといえば、バムとケロの最新刊「バムとケロのもりのこや」も
出ましたね。
熱心な読者ではないので知らなかったのですが、
バムとケロのにちようび」からはじまって、既刊のシリーズは順に
月・火・水と続いていて、今回は木曜日になっているのですって。

| 琴子 | 21:56 | comments(2) | trackbacks(0) |

ノエルカ

ムシェロヴィチのイェジツェ物語、翻訳されているものはこれで
最後です。
早々に読み終わってしまったので、もったいない気持ちで、
あちこち読み返していました。

ノエルカ この表紙 好き

1991年12月24日のクリスマスイブ 一日だけのお話。
お話のそこここに、”愛”があふれていました。

お馴染みになったボレイコ家やクレスカやアウレリアも健在。
「嘘つき娘」の主人公 アニェラは画家と結婚して双子のママに
なっているし、アニェラが居候を決め込んだ先の子ども
トメクは、この本の主人公エルカと、サンタと天使になりきって
子どもたちを喜ばせる 大事な役目の人です。

知っている人たちに、また出会えたという感じが、とてもうれしい!

クリスマスには、どんな奇跡が起きても不思議はないけれど、
この話には驚くほど、奇跡的な展開が3つも4つも待ち受けています。

一番ぐっときてしまったのは、意外にも、
42年前、気持ちが行き違ってしまった年老いたカップルが
思わぬところで再会し、当時のお互いの気持ちを再確認する場面です。
時と若さは戻らなくても、気持ちは不変でありうる。
切なくて、美しく、その寒さまでしみてきて、じーんとしました。

何かしらの問題を抱える人たち 〜 
でも、幸せなボレイコ家の雰囲気に導かれるように、
曇って からまりあった登場人物たちそれぞれの気持ちが、
いい方向に流れていくところが、クリスマスらしくてうれしくなります。


エルカとトメクの会話には、何度も驚きました。
会話のレベルが驚くほど高くて、17歳の会話と思えないほど。
今 日本で、こんな会話をかわしている高校生っていないでしょう。
出会って間もない者同士が、さらっとかわしている会話に
豊かさを感じないではいられません。

とても印象的だった言葉:

 「怒りの原因が自分以外にあると思っている間は
  自分が正しいと思うだろうし、その怒りを培養することになる」(p170)


そしてもう一つ、ボレイコ家やクレスカの家のように
開かれた家の様子に驚きます。
来るものは拒まない。
おいしいものを分け合って喜びあう。
その幸せは、誰にでも開かれているという雰囲気が、
とても幸せな気持ちにさせてくれます。

エルカはこの一日で、トメクとたくさんの家族に出会い、
自分の寂しさを嘆くだけの人ではなくなった・・・。
大人のことも冷静に見られる眼を持ったし、自分自身の行動を
反省する素直さも持った。
自分もかわいがってもらいたいと願ったガブリシャとの縁に
わたしまで感謝したくなりました。

想像だけではよくわからない、魅惑的なお料理もたくさん出てきます。
始終出てきた ポーランドのお菓子 オプワテクは
どんなお菓子でしょう。
誰かと分かちあって食べるものらしく
割って食べたあと、キスしたり抱き合ったり踊ったりする風景が、
何度も出てきて、楽しくなりました。
「オプワテクをわけましょう」と、さらりと言ってみたいなー。
クリスマスの風習って、どこの国も興味深いですね。
そうそう、クリスマスに鯉を食べる国は、チェコしか知らなかったけれど、
ポーランドもそうなのだそうです。

| 琴子 | 00:03 | comments(6) | trackbacks(0) |

小正月

昨日は、おもちつきやおしくらまんじゅうのわらべうたを歌って
そのあと、うそっこの魚を焼いて、最後に
絵本を読んでもらいました。

『ふうことどんどやき』
ふうことどんどやき 【作】いぬいとみこ 【絵】赤羽末吉
                 偕成社


ちょうど1/15だったので、ぴったり。
15日は、”小正月”
どんどやきで松飾りや書き初めを焼く日なんですね。
 *(どんどやき ⇒ 

有名などんどやきは盛大で、TVでも目にするけれど、
身近にどんどやきをしているところがなく、
わたしもkohaも経験がありません。

2つの柱が大きさによって、男・女とわけられていて、へー
どんどやきの火で餅を焼いて食べると、風邪をひかないとあって
ほーと、いちいち感心します。

ふうこに話しかける北風小僧も、大人には見えないところが
おもしろい。
今日も一段と寒い一日。北風小僧さんがんばっていました。

そういえば、昨日の新聞に、正月からの大正月を
ええもんじゃ・・・と喜ぶのは、男と子どもと老人で、
支度に忙しい女は、小正月になってやっとゆったりできるので、
小正月=女正月という、とありました。
(大正月=男正月)
時期も、男・女と分けるところが、おもしろいものですねぇ。

いよいよ来週は 大寒。
一年で一番寒い季節がやってきます。

| 琴子 | 22:17 | comments(2) | trackbacks(0) |

グレイ・ラビット

新しい年はウサギ年。
かわいいイメージなのに、お話に出てくるウサギといえば、
ちょっとずる賢かったり、怪しい雰囲気を醸し出していたり
案外、明と暗を含むイメージキャラクター

もちろん、みかけそのままのフワフワな感じのウサギ話も
たくさんありますけどね。
個人的に惹かれるといえば、ちょっとダークなウサギさんかも。
安房直子さんのうさぎなんて、ゾクゾクしっぱなしです。

あ、でも。
正当派のうさこちゃんも、ピーター・ラビットも好きなのです。
今年ちゃんと読んでみたいのがグレイ・ラビットシリーズ。

グレイ・ラビットのおはなし

横柄で文句ばかり言っている 大うさぎのヘアと
これまた横柄でいばりやの リスのスキレルの
お世話係のような勤勉な グレイ・ラビット。
いつも読むたび、グレイ・ラビットはよくこの2人に愛想を
つかさないなぁ・・・と思います。
ヘアもスキレルも言いたい放題なのに、グレイ・ラビットは
腹をたてるということがないみたい。
賢くて、機転もきくけれど、時々大事なしっぽをふくろうに
あげてしまうような失敗もしでかすところがかわいいの♪

グレイ・ラビットの勤勉さ、謙虚さは鏡だな〜と
新年早々手にしたうさぎ本は、このシリーズでした。


グレイ・ラビットシリーズ、今までも偕成社や評論社から
出ては絶版になり、数年前に童話館出版から立て続けに3冊
出たので、今度こそ♪ と思ったのに・・・
その後ぱったり、出る兆しもなく。
ぜひ絵本の体裁で、出し続けていただきたいなぁと
思っています。
石井桃子さん訳の大判絵本のほうも、とても好きだけど、
お話単位の小さな絵本もぜひぜひ。

スケートにいく やっかいなしっぽ ふくろう博士のあたらしい家

こちら☟ 福音館文庫に入っているお話は、いくつか重なるお話が
あるのかな。
読んでみたいと思っています。

グレイ・ラビットのおはなし新版

ピーター・ラビットもそうだけど、グレイ・ラビットも、
衣装や生活の様子、出てくる食べ物や薬の作り方、植物など、
昔憧れたヨーロッパ的な雰囲気がたっぷりで、
絵を眺めても、文を読んでも、とても楽しく感じます。
今ほど、カタカナ用語が簡単に理解できなかった頃の
ノスタルジーかな?

| 琴子 | 13:35 | comments(6) | trackbacks(0) |

12か月の贈り物
『マリーゴールド』
『綿舞の波』
『西洋梨』
『瑠璃色の8月』
  ・・・・・・

ただいまヒナタノオトさんで開催中の展は、『12か月の贈り物』(

12か月の贈り物

気になるといえば、まず誕生月ですが、
作家さんたちのそれぞれの月のイメージがうかがえて
このお題 とても魅力的です!

上にあげたのは、わたしの狭ーい記憶域が覚えていた
8月のイメージの名前。
(もっとあったのに・・・ 涙)

それぞれの作家さんのつけられるネーミングの妙。
ぐっときます。 

季節めぐり、一年めぐりのテーマは、絵本でも大好きなテーマ。
ほぅ〜っとため息まじりに、ずいぶん長く楽しませていただきました。

大事な方へ、大好きな人へ
誕生月のイメージのものをプレゼントするなんて、
ちょっと洒落ていて素敵です。

            『12か月の贈り物』
         
      2011年 1/8(土)〜1/23(日)
              火曜休業
 
         於 : ヒナタノオト
  
       *     *     *

今回は、宮本さんの小風呂敷を。
ほとんどがガマ口の中、濃淡の藍で繋がれた小風呂敷が
宮本さんの8月イメージ。
使われている布は、日本の葛布や古布。タイ・中国・日本の麻。
韓国の苧麻。
くるくるっと巻いて、最後にとめるひもの先には、
カレン族のシルバー鈴が リンリンリンとついていて可憐なのです。

初包みは・・・本日のkohaのおやつセット♪

初包み おやつ

| 琴子 | 00:26 | comments(2) | trackbacks(0) |

1月のおはなし会

1/8(土) 2011年おはなし会はじめ
地元図書室でのおはなし会の記録です。

  うさぎ

テーマは 『まっしろから・・・』
年間テーマを決めたときの、苦渋の様子が垣間見られる
テーマではありますが
季節的に白を連想したのですね、わたしたち・・・

 未就園・ちびっこ向け 

ふうちゃんのそり やまのおふろやさん
      紙芝居

手遊び

かいわれざむらいとだいこんひめ 

10ぱんだ てぶくろ

何かしら「白」のイメージ あるでしょうか(汗)

「てぶくろ」は定番中の定番なので、ほとんどの子どもが
どこかで読んでもらって知っていると言いました。
けれど、惹きつける本の力は抜群!
先月、友人にこのお話を語ってもらって、
あらためてわたしも、そのよさを実感しました。

 少し大きい子向け 

今月の昔話 (紙芝居)
ゆめみこぞう うたうこおり
 
手遊び

しまうまのしゃっくり ゆきがやんだら

20年以上前に、コーキ出版から出ていた『うたうこおり』 
展開も絵も気にいってみんなで読むことにしました。
寒い地域では、言葉も凍ったり溶けたり・・・ そんなお話が
できるんですね。
今読んでも楽しく、絵や見返しまで丁寧な1冊だと思います。

今年も、美しい言葉や歌があふれる、
そんな一年になりますように。
 

| 琴子 | 23:06 | comments(4) | trackbacks(0) |

嘘つき娘

マウゴジャタ・ムシェロヴィチというポーランドの作家がいます。
何年前だったか、まだ知っている翻訳本が2冊しかない頃
夢中になって読み、すっかり好きになりました。

ポーランドには行ったこともなければ、体制や歴史さえ
知らないことが多く、この本に出会うまでは
まったく馴染みのない国だったのに、
シリーズのおかげで、ポズナンの町には、とても親近感を
覚えます。

嘘つき娘

4冊目に出会ったムシェロビチは、「嘘つき娘」
タイトルからして、強烈!
インパクトのある表紙絵と色あい。期待感ばっちりです。

時々効果的に使われる手紙のやり取りも、とてもよかった。
手紙って、いいですね。

主人公アニェラの行動力、目的のために選ばない手段には
ほんとうに目をみはりました。
あー、こういう娘、なんだか知ってる!

アニェラが第一の"目的”としたのは、たった数時間で恋に落ちた
パヴェウを追って、ポズナンの印刷学校に入学し、
会ったこともない親戚の家に転がり込むこと。
そのためには、どんな嘘だって平気なのです。
どんな苦境にたたされようとも。

アニェラも一応いろいろと落ちこむのだけれど・・・。
けれど、若さって無謀なもの。
身に覚えもあるけれど、あとから思えば顔から火が出るくらい
恥ずかしいことも、やってのけてしまうことってあるもんです。
もういい!と思えば、すっぱり切ってしまう潔さも
少し状況が好転すれば、ゆらゆら揺れて気分よくなってしまう
ところも、なんて愛おしいんでしょう・・・と思います。

挿絵を見る限り、ものすごい美人でもないのに、
苦境を乗り越えていく強さがあって、しかも、なぜか人をひきつける
魅力があるアニェラ。
打たれづよくて・・頑固だけれど、素直なところもある。
それに賢いときています。
シェークスピアを先生と論じ、どの役もパーフェクトにこなす
ところは、格好よすぎるくらい!

このままお鼻が天を向いたままいくのかと思いきや、
ラストシーンのアニェラの言葉には、すっかりまいって
しまいました。
なんて、成長したのでしょう! 
それによいクリスマスを迎えられてよかった。
大変な想いをすることになった、男子2人にはお気の毒でしたけどね。


このシリーズ
名前も地名も、語り口も少々難しいポーランドのおはなしですが、
読み進むうちに、後半ぐっと楽しくなってくるように思います。
登場人物も多く、お馴染みの人たちが、シリーズのあちこちに
登場するので、成長した姿を別の場所で見られるお楽しみもあり。

クレスカ15歳 冬の終わりに 金曜日うまれの子 ナタリヤといらいら男

ことり文庫さんで、どうしても揃えたかった「嘘つき娘」と「ノエルカ」
冬眠前にいただいてきました。
どちらもクリスマスの絡むお話ですが、ゆっくり味わいつつ
ただいま「ノエルカ」読書中。
こちらの主人公 17歳エルカも、なんだか
知っている子なんだなー。(苦笑)

ノエルカ

しかし 「嘘つき娘」の中で、ひとつ疑問が・・・
p181 アニェラがハムレットの解釈を披露し、それに感激した
ドムハーヴィェツ先生が呼びかけた「アニェルカよ・・・」って
「フラニャよ」ではないのかな。
この時点で先生は、フラニャがアニェラだということを
知らないんじゃないかと思うのだけれど・・・うーん、
読み間違いかもしれません。
読み直してみようと思っています。

| 琴子 | 23:50 | comments(6) | trackbacks(0) |

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